XSサイズ専門メンズブランド『Retropics.(レトロピクス)』の林です。
新しくブログを立ち上げました。
今後は、このブログを通じてお店の更新内容や今後の方針をお客様に発信していきますね。
今回のブログは、レトロピクスの理念と今後の2つの方針を語ります。
レトロピクスとの出会い
約半年前の2017年4月にレトロピクスの営業権を創業者の鎌田さんから譲っていただきました。
引き継ぎも終わり、アパレル業界の商習慣・楽しさ・難しさなど、いろいろと感じていて、やっと自分がやりたい方向性が見えてきましたので、そのあたりをお話させてください。
僕はアパレル業界が未経験です。
以前は、デザイン会社を経営しており、個人としては経営コンサルタントをしていました。
今も顧問先が数社あり、お恥ずかしい話アパレルではなくそちらで生計が立っています。
23歳から独立して、はじめは生活にも苦労しましたが、
顧客が増えて、社員が増えて、神楽坂にオフィスを構えることも出来て、
それなりに余裕のある暮らしも出来るようになっていました。
気がつけばアラサーになり、社会のルールやビジネスのセオリーを覚える中で、
「いかにお金を稼ぐか?」をすぐ考えるクセが付いてきました。
初めのうちは自分たちの拘りある会社をつくろうとチャレンジしていましたが、
気がつけば社内は工場化して、単価の高い顧客の言いなりになるような雰囲気になっていました。
中小企業の社長なんて、みんなそんなもんです。
世の中お金で回ってますから。
でも、お金は大事ですが、最優先ではないはず。
自分が歳を取るにつれてくすんでしまったような感覚があり、
「本当にこのままの人生で後悔がないか?」を自問自答するようになりました。
尊敬する大先輩からの一言がキッカケになり、
去年の今頃、自分が創業した会社を辞めることを決意しました。
しばらくはお金より社会を見て生きてみよう。
ダメならまた稼げばいい。
そう決心しました。
幸いすぐに売却相手が見つかり、株を売って、退職金をもらって、
次の自分の人生の元手資金を得て辞めることが出来ました。
では、金儲けを脇において考えた時に、
自分が世の中で解決したい問題はなんだろう?
その1つが「自分の体に合うの小さい服が無いこと」でした。
スーツはオーダーメイドで作ればいいけど、私服のオーダーは世の中にありません。
しかも、オーダーであれば価格もそれなりに高くなるので、気軽に着れません。
「だったら、対象を小柄男性に絞った既製服もブランドを立ち上げよう!」
そう思って「シュッとした株式会社」という名前に決めて、会社を設立しました。
とは言っても、業界未経験のボクがアパレルブランドを立ち上げるのは、ちょっと大変そう。
何かしらいい御縁が無いかを知り合いに聞いている中で、紹介されたのがレトロピクスでした。
始めにレトロピクスの服を着た時に、体にフィットする感覚に感動を覚えました。
まさにオーダーメイドで作った服を着るときと同じ感覚!
話がトントン拍子で進み、営業権を譲っていただけることになりました。
鎌田さんに取引先・ノウハウ・商品などを引き継いでいただき、
勉強した甲斐もあって、一端の業界人として活動できるようになりました。
そして、今。
やっと自分が作りたいアパレルの姿が明確になってきましたので、
この場をお借りして発表させていただきます。
なぜレトロピクスをやるのか?
ボクがやりたいことは、
『小柄男性にファッションの喜びを提供すること』
です。
レトロピクスを、進出気鋭のデザイナーズブランドにするつもりはありません。
街で売っている服のデザインに不満があるわけではありませんから。
僕たちの悩みは「買いたくても街で自分に合う服が売っていないこと」です。
別にデザインは普通の服でいい。
それよりもサイズが無い点をどうにかして欲しい。
ファッションは本来楽しいことです。
でも、僕たちは自分の体に合う服を探すのにすごく苦労するため、買い物は”苦行”。
着れる服が無いから、妥協に妥協を重ねてしょうがなく買った服を着る。
ブカブカの服を着ると、自分のレベルも下がる感じがする。
ファッションと自尊心は大きく影響し合っています。
もし僕たちが体にピッタリ合う服を楽しく買い物できたら、
人生がすごく豊かに楽しいものになると思っています。
これは単なる買い物の話ではなく、人生の幸福感の話です。
だからこそ『ファッションの喜び』を提供したい。
自分のサイズの服がある喜び。
自分の好みの服が選べる喜び。
自分の気分に合わせて服を着れる喜び。
本来、ファッションは喜びに溢れることです。
僕はアラサーになってから、ファッションの喜びに目覚めました。
普通の人はアラサーくらいからファッションへの関心が薄れますよね(笑)
レトロピクスのお客様にも、同じような方々がたくさんいます。
「40歳を超えてまさかファッションにハマるとは!」という声も頂いたことがあります。
さて、最後に今後の方針を少しシェアしたいと思います。
『小柄な男性にファッションの喜びを提供する』というミッションを元に、様々な取り組みを検討しています。
大きくは2つあります。
方針①選べる喜びを提供するために商品レパートリーを増やす
アパレル業界に入ってわかったことですが、下着や靴の精算はロットが大きいため、レトロピクスのような小さなブランドには取り入れられません。
ただし、それは自社ブランド商品を展開する場合の話です。(OEMといいます)
レトロピクスという自社ブランドに拘っているわけではなく、ファッションの喜びを提供したいわけですので、サイズ感へのこだわりを持って他社商品をセレクトするのもありだと思っています。
先日、東京ビックサイトでファッションワールドという大きな展示会に行ってきて、小さいサイズの靴を探し、仕入れられないかを交渉してきました。
今、実物を1点購入して精査していますので、2か月以内に1〜2足をテスト的にリリースしたいと思っています。
靴以外でも、サイズ感とデザインが良いものは積極的に仕入れて行きたいと思っています。
方針②気軽に楽しめる喜びを提供するために低価格の定番商品を企画する
レトロピクスの服は、今時のアパレルブランドには珍しいほど丁寧に作られています。
国内の良い生地を使い、一流のパターンナーが型紙を作り、国内の小ロット対応の工場で縫製していいます。
その分、価格は安くはありません。
アパレル業界の原価率は25%であることが多いのですが、
レトロピクスは40%を超える場合もあり、
単価が安くない分ちゃんと原価もかけています。
実際、その品質へのファンも多く、大人な方々に受け入れて頂いています。
30代からはこうした「良い物」を身につけることは大事だと思いますし、
今までの商品コンセプトをを手放すつもりはありません。
ただ、一方で若い方やネットでの買い物に慣れていない方が買いづらいという声も頂いています。
もう少し気軽に楽しめる価格帯のアイテムも作ることで、より多くの方々に喜んでいただけるのではないかと思っています。
これから新しく作る予定の、価格を抑えめにしたアイテムは「定番シリーズ」として、
ベーシックなアイテムを中心にこだわりのXSサイズで商品を企画します。
生産量を多めのロットで発注することで、少しでも単価を下げる企業努力を行ないます。
在庫リスクは怖いのですが、これも「ファッションの喜び」を提供するためです。
今の売上規模が20倍になれば、面白いアイテムを気兼ねなく生産できるようになります。
その規模まで伸ばさないとお客様に提供できる幅も狭いので、
今はリスクをとってでも伸ばして行く必要を感じています。
例えば、ゆくゆくは店舗もあったほうがいいじゃないですか。
今の規模じゃ絶対ムリなので…。
終わりに
余談ですが、売上目標としては5年で売上75倍を目指しています。
一件ムチャクチャな数値ですが、冷静に考えると大したことない数字なんです。
イメージとして、マルイやパルコに6店舗くらい入っているブランドと同等の売上規模です。
「知ってる人は知ってる…かもね」という程度ですよね。
道のりは長いけど、お客様と一緒に楽しんで歩んでいきたいと思っています。
以上、長くなりましたが、レトロピクスは今後もさらに良くなるように改善してまいります。
ブログはこういった考えの発信の場として活用していきたいと思っていますので、よろしくお願い致します。
励みになりますので、SNSやメールで感想をいただけると嬉しく思いますので、気軽に絡んでくださいねm(_ _)m